Sophia Chess Circle - ソフィアチェスサークル

上智大学にあるチェスサークルの活動日記です。サークルは2009年4月29日にできたばかりのサークルです。初心者大歓迎!気軽に遊びに来てください!!
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チーム選手権&同時対​局

こんにちは。松本です。

ご存知の方も多いと思いますが、9月29日上智大学にて、フランスのWGM Almira Skripchenko さんによる同時対局が開催されました。

私は直前まで参加を悩んでいましたが、橋本さんの呼びかけで何とかスケジュールをやりくりして参戦することに決め、その結果ドロー(!)という入部2年目の私にはもったいないくらいの結果を得ることができました☆

Almiraさんは、4月に30面で同時対局を行ったGM Nigel Shortと比べると、(我々挑戦者に配慮して?)かなりハイスピードで指していたようで、そのせいか私の試合でも若干雑な手が見受けられました。Almiraさんが考え込む姿はかわいいので、むしろ目の前でもっと時間を使って考えて頂いても良かったんですが。

さて、そのAlmiraさんとの激闘を振り返る前に、今月16日から17日の2日間に行われた第12回全日本チーム選手権の報告です。

今回SCCからは10名程が参加することができました。しかもほとんどがJCA大会初参加、特にそのうちの半分近くが今年の新入部員ということで、やる気のある子が多いというのは先輩としては嬉しい限りですね。

この大会で私も晴れてJCA会員になることができましたが、我がSophiaチームの成績は1勝3敗1ドロー(1bye)、個人成績は1勝4敗というほろ苦いデビュー。今回は、ゲーム中盤まではうまく指せても、最後の詰めと読みの甘さが本当に目立ち、ポイントを失う残念な事例が多かったです。しかし検討から学んだことも大きかったのでまあ好しとします。私が負け続けたせいでチームは最終ラウンドbyeという終わり方で、無敗で頑張っていた馬さんには申し訳ないなあと思いましたが、彼は慶應の小林くんに勝てただけで満足だったようです。

Almiraさんとのゲームもあるので、それぞれ最後の局面だけ見ていきましょう。

まず第1Rはいきなりオリンピアード女子代表だった中川さん(白)が相手。

2012y10m02d_234225273.jpg

ここから黒番で、どう指してもドローになるだろうと楽観して(ドローオファーしながら)突いた39... f6?がダメでした。39... Ke7と指すべきでしたが、直後に(無言で)40. Kg3と指されて、h5ポーンに対するキングの寄せが間に合わずそのまま崩壊しました。39... f6 40. Kg3 e5 41. Kh4 exd4 42. exd4 Ke6 43. Kxh5 44. Kf5 h4 1-0

ちなみにドローオファーは単に私の声が小さくて聞こえてなかっただけだと思います。

追記:良く見たら配置が間違っていたので訂正しました。


第2Rは慶應CCの勝田くん(黒)が相手です。Catalanから途中の怪しい手を挟みながらなんとか勝勢に持ち込みましたが、最後にスーパーブランダーが飛び出てあえなく敗北を喫しました。小島さんからも「なぜ負けた」と言われてしまったほど見るに堪えない逆転負けでした。

2012y09m30d_041944419.jpg

ここで私はいったい何を思ったのか30. Re8+??という謎の一手を選択しました。当然30... Rxe8!!でルークタダ落ちです。斜め後ろのd6にいたポーンを突くならまだマシだったかもしれませんが、その手も一度隅に追いやったナイトをc7のマスに復活させてしまうので、ここは30. Qxb5!から確実に次の準備を進めるべきでした。これならお互いベストで指しても黒のピースダウンは確実です。i.e. 30. Qxb5 g6 31. Re8+ Kg7 32. Qxb8 Rxb8 33. Rxb8 Qxe6 34. Rxa8で2ルーク+1ビショップ対クイーンという形に落ち着きそうです。ここから白がどうやって確実に勝ちに結びつけるかというのはまた別の話である気がするので検討はここまでにしておきます。

以下、救いようのない本譜。
30. Re8+ Rxe8 31. Rxe8 Rxe8 32. Bc5 Rd8 33. d7 Rxd7 34. Bxa8 Qd6 35. Qe1 Re7 36. Be4 Qd4 0-1

最後の36手目には完全にやる気が失せていました。


第3Rは再び慶應CCの吉木くん(白)と対戦。

2012y09m30d_050352661.jpg

本譜ではここから28... Qxh3?でクイーンがh4-d8のダイアゴナルから外れてd8を守るピースが足りていないことに気づかず最終的にプロモーションを許し敗北。28... Rd8で一度ルークを挟んでおくか、28... Qg3+でも良さそうです。しかし、いずれにしろb5にいる白のクイーンは自軍のキングまで簡単に戻れる状態にあるのでここから早々に勝負が終わるわけでもなかったようです。ともかく読み違えて攻め急ぎ白のパスポーンを放置したことが敗因です。


それでは、先日のAlmiraさんとの同時対局を振り返りましょう。こうやって棋譜を公開するのは初めてでどの程度まで見ていけばいいのか分からないので、とりあえずなるべく丁寧に試合中考えていたことを書くことにします。あんなさんのために盤面図多めで。対局の後で馬場さんに棋譜を撮って頂きましたが、後で確認したら記入ミスもありましたので、正しい棋譜を公開します。

まず今回の対局は、今まで自分が学んできたこと全てを出し切ることができた入部以来のベストゲームだったと思います。それはただ単に自分が良く考えて指すことができたということだけでなく、Almiraさんという本当に強いプレーヤーと一緒に試合をつくることができた喜びと達成感が非常に大きかったということです。

しかし、馬さんの勝ちはやはり腑に落ちません。Almiraさんは馬さんの「死んだふり作戦」にまんまと引っかかってしまったようです。私が頑張ってもぎ取ったドローの価値。。。

1. e4 Nc6

正直Almiraさんが初手e4で始めてくれたのは、他のラインをあまり準備していなかった私にとって幸運でした。私は基本的に、初対戦の、特に格上の相手の初手e4に対しては、専ら1... Nc6を好んで返しています(バラしていいのか?)。というのは、まずNimzowitsch Defenceを指すプレーヤーが少ないということがあり、奇襲戦法としてかなり機能してくれる場合があるからです。別にAlmiraさんを見くびっていたわけではありませんが、スタンダードな定跡では序盤は正確に返されることは目に見えていましたし、それではAlmiraさんも指しやすかろうと思い、彼女の動揺を少しでも誘えればいいなという小さな期待を込めて今回採用しました。実際私の両隣の馬さんと内田さんに対しては序盤は同じEvans Gambitでサクサク指していました。セコイと言われるかもしれませんが、相手の土俵で戦わないことは勝負に勝つための一つの策だと思います。

2. Nf3 Nf6 3. e5 Nd5 4. d4 d6 5. Be2

5. c4 Nb6の方が自然な形とは思いますが、とりあえずは様子を伺うといったところでしょうか。

5... dxe5 6. dxe5 Bg4 7. Nbd2!?

2012y09m30d_065635863.jpg

この手を指されて瞬間的に考えたのが7... Nf4です。白が黒マスビショップの道を塞いだことで黒のナイトが飛べるマスができました。コンピューターはナイトがf4に跳ねて問題ないと評価しています。i.e. 7... Nf4 8. h3 Bh5 9. g3 Nxe2 10. Qxe2 Qd7 11. e6 fxe6 どうもあまりあてにはできるとは思えませんが。ここは慌てずに指すことにしました。

7... e6 8. h3 Bh5 9. O-O Be7 10. Bb5 O-O 11. Bxc6 bxc6

2012y10m01d_200113716.jpg

ここは先に9... a6と指しておくべきか判断に迷いました。しかし本譜のように来て取ってくれば相手の白マスビショップが得られてかつf3ナイトもピンされます。Nimzowitsch Defenceの欠点は、フォー・ナイツになった場合を除きc6に出したナイトの動かしづらい状態とそれによるcポーンの使いづらさということにあるので、取られてダブルポーンができることのデメリットを回避するよりも攻める上でのメリットを優先しました。ついでに今までキャスリングを遅らせて良いことがあった試しがないので、さっさとキャスリングを済ませたかったという事情もあります。

12. a3 Qd7 13. Qe2 c5 14. Ne4

この辺りからIMっぽい手が来ました。個人的にはナイトが跳ねる前に14. Rd1と周到な準備をされるともっと嫌でしたが、おそらくAlmiraさんは黒がクイーンサイドに駒を固めようとしているのを見て黒の駒が手薄なキングサイドから手を作ってくるつもりだったのかなと思います。それならば、白としてはピンが外れても外れなくても黒のビショップからf3のナイトを取ってくれればgポーンで取り返して、空いたgファイルからルークを回して手を作れそうですね。

14... Qc6 15. c4?!

2012y10m01d_195856118.jpg

これが最初に私が違和感を感じた手でした。確かに黒のナイトがd5のマスに居座り続けているのは白にとって面白くないかもしれませんが、本譜のようにb6に引けば白のクイーンはf3ナイト・e4ナイト・c5ポーンと3本ヒモをつけていて相当負担が大きそうだということ、何より一気にc4まで突いてしまったために黒にとっての将来的な拠点となりうるd4のマスの支配力を弱めてしまいました。もちろんd4のマスはc5のポーンがしっかりサポートしています。

15... Nb6 16. Bf4 Rfd8

... Bxf3からポーンアップができるのかどうか悩みましたが、前述の通り取っていればgファイルが開き完全に黒のキングは攻められ放題になっていたでしょう。ここでチーム選手権の時に中川さんが、「基本的に突かれて引いたビショップが自分からナイトを取る理由はもうない」とおっしゃっていたのを思い出したこともあり、取ってみたい気持ちをこらえてその代わりに空いていたdファイルにルークを回すという粋なチョイスにたどり着きました。

17. Rfd1 Rxd1+?! 18. Rxd1 Rd8 19. Rxd8+ Bxd8

2012y10m01d_193702516.jpg

全てのルークを交換してしまうのは間違いなくベストムーブではなかったと思います。しかし、メジャーピースを絡めたピースのコンビネーションプレーではおそらく敵わないだろうと思い、ルークを残されてそこから凝った手を繰り出されるよりも、手損になってでもルークを消してシンプルな局面にした方が良いと判断しました。この辺りからAlmiraさんが1周する時間では読み切れなくなってきていましたが、この手により時間稼ぎができました。

20. b3 Be7 21. Qe3 h6 22. a4?!

2012y10m01d_193516609.jpg

これもおかしいなと感じた手です。これによりb3ポーンの弱さが一層際立つようになりました。そこで黒はここから手をつけていく方針に徐々に切り変えます。

22... Nd7 23. Nfd2 Bg6

狙いはe4のナイトが退いた後のc2への潜り込み、どかなければクイーンともう一方のナイトに守備の負担が強いられます。

24. Nc3 Qb7 25. Nce4 Qb6 26. Qc3 Nb8!

2012y10m01d_193157983.jpg

24... Qb7で引いた時に他にb3のポーンをいぢめられそうなピースはナイトぐらいしか残っていなかったので、それを踏まえた上でb3から逆算したところNd7-Nb8-Nc6というマヌーバリングによってd4のマスに到達できそうだということに気がつきました。

27. Be3 Nc6 28. f4 Nd4

2012y10m01d_191519339.jpg

f4を突いてきた意図は良く分かりませんでしたが、ともあれナイトは念願のd4入りを果たしました。さらに... Ne2+のフォークスレットもあります。

29. Bxd4

やむを得ない手かもしれません。ビショップでナイトを取らずにフォークスレットを回避すればb3が落ちますし、取ればb3が落ちることは防げますが、本譜のように黒のダブルポーン解消&パスポーン完成、オープンな局面でのペアビショップの優越性、ディスカバードチェックの可能性、次の黒マスビショップのb4のマスへの侵入、など白にとって先は暗そうです。

29... cxd4 30. Qd3 Bb4 31. Qf3 d3+ 32. c5

2012y10m01d_195146502.jpg

この辺りはさすがIM、被害を最小限にとどめる術を心得ています。本譜ではビショップですぐに取ってしまいましたが、31... Bxe4! 32. cxb6 Bxf3 33. Nxf3 axb6がベストでしょう。

32... Bxc5+ 33. Kh2 Bb4 34. Qxd3 Bxd2 35. Qd8+

2012y10m01d_195645567.jpg

ピースアップを果たせたかに見えましたが、最後列のチェックを見落としていました。仮に34... Kh7で外しておいたとしても、続く35. Nf1で受かっています。

35... Kh7 36. Nxd2 Qe3!

しかし白のクイーンが自陣から出たことで、今度は黒のクイーンが相手のキングに詰め寄ります。

37. Nf3 Qxf4+ 38. Kg1 Qe3+ 39. Kh2 Qxb3

2012y10m01d_194935609.jpg

完全に黒優勢です。黒はd3のパスポーンを失った代わりに結果的に2ポーンを頂戴しました。

40. a5 Qd5?

ここに来てミスが出ました。黒の狙いはクイーン交換によるコネクテッドパスポーンの完成とa5ポーンの取りですが、単純にc7のポーンにヒモが付いていないことに気が付いていませんでした。勝ちにいく40... Qc3か、それより少し消極的なパペチュアルチェックの可能性を残しておく40... Qc4で良かったです。

41. Qxc7 a6 42. Qb6 Bd3 43. Kg3 Kg6 44. Nh4+ Kh7 45. Nf3 Kg6 1/2-1/2

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ここでドローオファーが来て刹那悩んで受けることにしました。ポーンを1つ取り返されたとはいえ、黒は未だ1ポーン得している上非常によく働くビショップを残しており、さらに同時対局ということを考慮に入れれば、ここから勝ちきることは決して不可能ではなかったと思います。
しかし、Almiraさんのような可憐な方に最高の笑顔で「draw?」と聞かれてしまったら、「イエス、マム!」と即答する以外ありませんね。Almiraさんは、ポーカーと違ってチェスでは性別によるアドバンテージはない、と言っていましたが、必ずしもないわけではなさそうだと感じました。かわいいは正義!

非常に長くなりましたが解説は以上です。ここまで読んでくださってありがとうございました。改めて、素晴らしいゲームを共につくることができたAlmiraさん、大会を主催してくださった馬場さん、教室をとってくれた今井さん、検討に協力してくれた太田さんにもこの場でお礼申し上げます。

それでは次回のイベントでまたお会いしましょう。

松本

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Comment

n nakamura says... ""
チーム戦、同時対局お疲れさまでした。
SCCからもたくさん参加してくれて、良い感じですね。
これからも、学生チェス界を盛り上げていきましょう!b

ちなみに、無言で次の手を指すのは、ドローオファーを蹴る場合の普通の方法なので
聞こえていなかったわけじゃないと思いますよ。
声だけで心配な場合は、指でバッテンをつくるジェスチャー(ドローオファーのサイン)もすると良いです。
2012.10.02 11:58 | URL | #WkxeGs2A [edit]

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